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名城大などが深紫外半導体レーザー開発、縦型・高出力化可能に

名城大などが深紫外半導体レーザー開発、縦型・高出力化可能に

半導体レーザーの断面から観察した模式的な構造図(名城大学提供)

名城大学の岩谷素顕教授、竹内哲也教授らは三重大学、ウシオ電機、西進商事(神戸市中央区)と共同で、高出力化が可能な縦型窒化アルミニウムガリウム系の深紫外半導体レーザーを開発した。バイオテクノロジーや皮膚病治療などの医療用途や紫外線(UV)硬化プロセス、レーザー加工などの工業分野への応用が見込める。

研究グループはサファイア基板上に高品質の窒化アルミニウムを載せ、周期的なナノピラーを形成するなどし、その上に窒化アルミニウムガリウム系のレーザー構造を積層した。さらに、固体パルスレーザーで窒化アルミニウムと窒化アルミニウムガリウムの界面の結晶を分解し、デバイス構造のみを剥離することに成功した。

レーザー発振に必要なデバイス構造にし、光共振器を形成して縦型窒化アルミニウムガリウム系深紫外半導体レーザーを作製した。同レーザーは298・1ナノメートル(ナノは10億分の1)のUV―B領域に相当する深紫外レーザー光を放射した。

縦型半導体レーザーはデバイスを大きくしても均一に電流を流せることから、高出力なレーザー光が得られる。さらに集積すれば小型かつ高出力のレーザー光源になる。

日刊工業新聞 2023年10月31日

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