防衛で大型案件獲得、NECの4ー9月期は営業益46%増
ITサービス国内需要旺盛
NECが10月30日発表した2023年4―9月期連結決算(国際会計基準)は、調整後営業利益が前年同期比46・9%増の458億円だった。ITサービス分野は旺盛な国内IT需要を取り込み、調整後営業利益が同39・9%増の593億円と好調に推移した。社会インフラ分野は防衛で大型案件を獲得。海外を中心とする第5世代通信(5G)基地局事業の構造改革の効果もあり、調整後営業利益は同5・9倍の158億円と大幅に伸びた。
ITサービスは国内需要が企業・官公庁向けともに伸び、調整後営業利益の9割以上を国内で稼いだ。システム構築の部品化などで採算性も向上した。
社会インフラはテレコムサービス事業の調整後営業損益が59億円(前年同期は51億円の赤字)と黒字化した。5G関連の構造改革効果に加え、海外ケーブル事業も堅調だった。藤川修取締役は防衛事業について「経済安全保障の観点で上振れ」傾向にあり「この先も主力産業の一つになる」と述べた。
24年3月期連結業績予想は据え置いた。
日刊工業新聞 2023年10月31日