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新豪華客船ブランドの名称決めた商船三井が描く成長戦略

商船三井は新しいクルーズブランド名を「MITSUI OCEAN CRUISES(ミツイオーシャンクルーズ)」に決定した。海運不況時も黒字を確保する体制の確立に向け、安定収益型のクルーズ事業の強化は重要な位置付けだ。今後、複数のクルーズ船を投入して客層を広げ、成長を目指す。

クルーズ事業を担う商船三井クルーズ(東京都港区)の上野友督社長は「日本そして世界のクルーズを創造する」と新ブランドの意気込みを語った。2024年12月に投入する第1弾のクルーズ船名は「MITSUI OCEAN FUJI(ミツイオーシャンフジ)=写真」に決定。全229室がスイートルーム仕様で、多様なレストランやエンターテインメント、仕事も可能な通信環境を整えた。

27年以降に第2弾のクルーズ船を新たに造船し、その後、第3弾と続ける方針だ。既存のクルーズ船「にっぽん丸」の顧客層である65歳以上の裕福なカップルに加え、少し若い世代や訪日外国人旅行者ら新しい顧客の獲得を図る。「ラグジュアリー層を狙う」(商船三井の向井恒道常務執行役員)。25年にはフジでの世界一周ツアーを企画する。

コロナ禍からの市場回復の追い風を受け、世界へ出航する。


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日刊工業新聞 2023年10月16日

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