ヤマハ発動機が先進研究開発拠点を横浜で開設するワケ
ヤマハ発動機は横浜市西区に先進研究開発の拠点を開設し、2024年5月に稼働する。デジタル変革(DX)などに携わるIT関連部門の人材を本社(静岡県磐田市)から横浜に一部移管。将来の実用化を目指す先進技術開発を促進する。首都圏の横浜に拠点を設けることで、エンジニアやデータサイエンティストら優秀なデジタル人材の確保にもつなげる。併せてブランド推進などを担う部門も新拠点に一部移し、ヤマハとブランド発信で協業する計画だ。
新拠点は24年3月に完成予定の複合ビル「横浜シンフォステージ」に構える。ヤマハ発動機はDXの一環として、2輪車やマリンなど全ての製品をつなぎ、顧客ともつながることで新たな価値を提供する「ヤマハ発動機コネクテッドビジョン2030」を掲げる。デジタルマーケティングやデータ分析などを重点領域と位置付けて取り組んでいる。
従来は本社などでDX関連の研究開発に取り組んできたが、エンジニアらの人材採用の面で立地が課題になっていた。
新拠点でのブランド発信については、約700平方メートルの屋内スペースに電動製品などを展示。製品試乗や映像視聴、ワークショップ(参加型講習会)などを通じてヤマハ発動機の企業活動に対する認知度を高める。
ヤマハとは以前から製品展示などで協力してきた。新拠点では多くの企業がブランディング拠点を置く横浜・みなとみらい地区の立地を生かし、首都圏で両社の連携によるブランド発信を強化する。
日刊工業新聞 2023年09月27日