寿命が鉛蓄電池の4倍、エナジーウィズがニッケル亜鉛電池を投入へ
エナジーウィズ(東京都千代田区、吉田誠人社長)は、鉛蓄電池の約4倍の寿命性能を持つニッケル亜鉛電池(写真)を開発した。2027年をめどに製品化を目指す。
水系アルカリ電解液を用いた安全性の高い二次電池で、エネルギー密度が高い。自動車のエンジン始動やハイブリッドシステムを起動する補機用途で使う鉛蓄電池の代替や、選択肢を増やすことを想定する。今後協業先と量産・用途開発を進める。
同電池はニッケル正極と、安価で豊富な資源である亜鉛を負極に用いる。同社は新たなセパレーター技術や電解液の添加剤、負極バインダーを選定し、寿命性能を改善した。開発品の始動・補機用途の性能評価では、低温始動性能は鉛蓄電池と同等、寿命性能は同約4倍の性能を示したという。
自動運転やコネクテッド技術など車両通信技術の進展で、駐停車中の電力負荷が増加している。小型・軽量でエネルギー密度の高いリチウムイオン電池(LiB)の利用が期待されるが、高温・衝撃に弱く、エンジンルームなどの高温下や衝撃を吸収するためのクラッシャブルゾーンに設置できない課題がある。
【関連記事】「全固体電池」中小企業へのビジネスチャンス
日刊工業新聞 2023年月9月5日