国内好調なゼネコン各社、先を見据えた海外展開拡大
東南アジア中心に、南アメリカ、アフリカを視野に入れる
【大成建設】
大成建設は東南アジアを重点的に展開している。世界に海外現地法人は8法人あるが、東南アジアに5カ国7法人設置しており、残りの一つは中国とアジアに集中している。日系企業が進出しているため、継続的に事業を行うことが可能だ。
その中でベトナムに注目している。環太平洋連携協定(TPP)に加盟したことで、日系企業の組み立て製品の輸出拠点として有望だ。生活水準の向上に伴い日用品などコンシュマー製品の需要をにらんだ生産拠点が増えるとみる。また、日本政府のODA(政府開発援助)によるインフラ整備にも期待する。
ミャンマーも有望国の一つ。本格的な発展にはまだ時間がかかるが現地法人の設置で腰を据えて事業を行う。
【竹中工務店】
竹中工務店は売上高に占める海外事業を約15%程度を目標にしている。地域的にはアジアを強化。日系企業を中心に生産拠点の受注に努める。現地の生活水準が高まってきているので、商業施設や集合住宅などの建設ニーズをとらえていきたい考えだ。
欧州地域は日系を中心に韓国系、地元の自動車関連企業からの受注を伸ばしてきた。価格ではなく品質や工期などを評価する顧客をターゲットに受注を目指していく。
北米では、米国のシカゴ周辺の中部4州を中心に事業展開している。現地に進出している日系自動車関連企業の建設需要に対応していく。メキシコに拠点はないが、日系自動車関連企業の進出が活発なため調査している。
【戸田建設】
戸田建設は中期経営計画(15-17年度)の中で、海外事業の売上高を14年度の210億円を17年度に250億円にまで拡大する目標を掲げている。20年度に400億円を達成したい考えだ。
現在は東南アジアを中心にブラジル、米国、西アフリカなどに拠点を置いて事業を展開。タイには東南アジア統括事務所を置いている。17年度には海外事業が自立できるような体制を目指し、採算改善が見込めない拠点を整理した。
今後経済成長が期待される西アフリカで、日本政府の政府開発援助(ODA)案件の受注を伸ばしたい考え。例えば、セネガルは過去に工事をした実績があり、現地スタッフもいるなど事業しやすい国の一つとしている。
日刊工業新聞2016年2月29日 特集面