ニュースイッチ

ディズニーシーに新エリア…今後の拡張は?、新会長の答え

ディズニーシーに新エリア…今後の拡張は?、新会長の答え

ファンタジースプリングスでは着々と工事が進む(オリエンタルランド提供)

ポストコロナにおける入園数増の起爆剤となるか―。東京ディズニーシー(TDS)に2024年春、8番目となる新エリア「ファンタジースプリングス」が開業する。開発総額はTDS開業時に次ぐ3200億円。6月にTDSを運営するオリエンタルランドの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任した高野由美子氏は「世界で一つのディズニーシーにファンタジースプリングスが加わることでさらにブランド価値が上がる」と意気込む。(千葉・苦瓜朋子)

24日に報道関係者向けにファンタジースプリングスの工事現場を公開した。ディズニー映画「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ピーター・パン」の三つの世界観を再現したアトラクションやレストラン、ショップ、ホテルで構成する。ゲストは映画の登場人物になったかのような没入感のある体験ができる。

「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」は地上9階建てで475室。デラックスタイプと、東京ディズニーリゾートで最上級となるラグジュアリータイプの2棟を用意し、ラウンジや客室からパークを一望できるなど、パーク一体型の滞在体験を楽しめる構造とした。

今回のファンタジースプリングス開業で舞浜地区での拡張余地はほぼなくなると見られる。同日、取材に応じた高野会長は今後の拡張について「まだ区切りとは考えていない。可能性があれば新しいことにも挑戦したい」と述べた。舞浜以外での事業展開の可能性については「現在も京都でホテル事業を展開している。さまざまなビジネスのチャンスを検討したい」とした。

足元ではインバウンド(訪日外国人)が回復しつつある。高野会長も「日本にしかないオンリーワンの世界を世界中の方に楽しんでもらいたい」と期待する。このほか、子どもの体験支援や新技術への取り組みといった新事業も計画している。パーク事業の強化に加え、経営の多角化や入園者1人当たりの単価増により持続的な経営基盤を構築できるかが問われる。

日刊工業新聞 2023年08月25日

編集部のおすすめ