YKK APが「スマートファクトリー」を加速する!
YKK APは2026年度をめどに生産拠点をスマートファクトリー(つながる工場)にする。米関係会社のYKK AP北米テクノロジーズ(ペンシルベニア州)で第5世代通信(5G)や人工知能(AI)、ロボットなどを活用するための要素技術の開発を進め、24年度ごろから一部技術を国内外の工場に順次導入する。デジタル関連の買収も含め、市場変化に即時・柔軟に対応できるようにして競争力を高める。
開発は北米テクノロジーズの研究開発拠点「xTechLab(クロステックラボ)」で行う。約3億円を投じ、7月に開設した。同社は23年度中に現地採用中心に従業員を22人まで増やし、さらに約25人まで増員する計画。共同研究を行うカーネギーメロン大学の学生と、現地に数カ月から数年単位で赴任するYKK APの営業や製品開発、製造装置開発の担当者も参加し、実用に向けた開発に取り組む。
クロステックラボでは範囲を限定して利用する5G(ローカル5G)による製造現場の自動化・無人化や、製造・施工・点検などの工程においてロボットのカメラで撮影した映像・画像から異常を検知するプログラムなどを構築する。バーチャルファクトリーの構築にも取り組む。
YKK APの深田しおり最高情報責任者(CIO)兼最高デジタル責任者(CDO)は「スマートファクトリーは何度も回し(改善し)ていくことに意義がある」として、26年度時点は第1段階とする。また「開発速度を上げるにはスタートアップや技術の権利の買収も発生する」という。
日刊工業新聞 2023年08月04日