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塩野義製薬が抗菌薬を効率製造、新型コロナ対応

塩野義製薬が抗菌薬を効率製造、新型コロナ対応

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塩野義製薬は抗菌薬の安定供給に向けてサプライチェーン(供給網)を強化する。Pharmira(ファーミラ、兵庫県尼崎市)の連続生産技術を用いた効率製造手法を開発するなどで、シオノギファーマ(大阪府摂津市)を中心に抗菌薬の原薬製造体制を整備する。これにより、新型コロナウイルス感染症などの急性感染症対応を進める。

シオノギファーマとファーミラによる抗菌性物質製剤の安定供給計画に対する申請が厚生労働省の認定を取得した。βラクタム系抗菌薬として汎用されるセファゾリンナトリウムやセフメタゾールナトリウムで原薬製造設備導入や備蓄体制整備を進める。

セフェム系を含むβラクタム系抗菌薬は感染症治療に加え、手術時の感染予防の推奨薬で必要性が高い。ただ、原材料のほぼ全量を海外に依存している。セファゾリンでは中国での製造トラブルで2019年に供給が長期に滞って、医療提供に影響した。このため抗菌薬の国内での安定供給が課題になっている。

日刊工業新聞 2023年08月04日

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