スバルが電動車に国内外投資1.5兆円、27―28年めど米でEV生産
SUBARU(スバル)は2日、2027―28年をめどに米国で電気自動車(EV)の現地生産を始めると発表した。国内生産体制の再編に向けた2500億円を含め、30年前後までに電動車の生産・開発に約1兆5000億円を投じる。EV生産に向け、開発手番や生産工程、部品点数を半減することを目指す「モノづくり革新」にも取り組む。
米国ではEVのほか、独自のハイブリッド機構「次世代e―BOXER(イーボクサー)」車両の生産も始める計画。インディアナ州の既存工場を含め、生産場所は検討中。米インフレ抑制法(IRA)を満たす生産体制にするかについて大崎篤社長は「念頭には置くが、高い品質の製品を作っていくことが優先」とした。
スバルは現在、電池の安定確保にパナソニックエナジーと協力する方向を示しているほか、トヨタ自動車とも調達で連携するとしている。この2軸のほか「さまざまな選択肢を想定している」(大崎社長)。
30年の電動車販売比率は、当初ハイブリッド車(HV)とバッテリー式EV(BEV)で40%としていたが、新目標ではBEVのみで50%の60万台を販売するとした。
EVのラインアップは26年末までに「ソルテラ」を含めたスポーツ多目的車(SUV)4車種、28年末までにさらに4車種を追加する。EVでも独自色を追求し、28年に米国で40万台の販売を狙う。30年の世界販売はEVを含め「120万台プラスアルファを目指す」(大崎社長)。
EV生産に大きくかじを切る上で、生産体制や開発プロセスの刷新に資源を振り向ける。これまで分業化していた組織を高密度化する。変革をリードする人材を育む土壌作りにも取り組む。
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日刊工業新聞 2023年08月03日