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半導体サプライチェーン強靭化…JSRが産業革新投資機構傘下に

半導体サプライチェーン強靭化…JSRが産業革新投資機構傘下に

JSRはJIC傘下に入り事業再編などをしやすくし半導体材料の競争力強化につなげる(フォトレジスト製品)

JSRが産業革新投資機構(JIC)傘下に入り、非上場化する見通しとなった。JICが約1兆円でJSRを買収する。JSRは非上場となることで注力する半導体事業への集中的な投資などをしやすくし、国際競争力を高める狙いがあるとみられる。政府も経済安全保障のリスク対応などで半導体の戦略的重要性が高まる中、支援体制を強化する。

JICは年内にもJSRに対するTOB(株式公開買い付け)を実施する方針。JICは5000億円程度を出資し、みずほ銀行から約4000億円の融資を受ける方向で、その他含め約1兆円規模を想定する。順調に進めば、2024年中にもJSRは上場廃止となる見通しだ。

JSRが得意とするフォトレジストはウエハーに回路を焼き付ける工程で用いる感光性材料で半導体製造に不可欠な材料の一つ。同材料は日本企業が世界シェアの約9割を占め、JSRは同約3割で首位。JICによる買収でJSRは投資や事業再編をしやすい環境を整え、半導体材料の国際競争力の強化につなげる。JSRはこの件について「26日に開催する取締役会に付議する予定」とコメントしている。

経済産業省が今月まとめた半導体・デジタル産業戦略では、国内で半導体を生産する企業の合計売上高を30年までに現状比約3倍の15兆円とする目標を掲げる。デジタル化や脱炭素化を推し進めたり、経済安全保障のリスクに対応したりする上で、半導体の戦略的重要性が高まっており、関連産業の規模を拡大する方針だ。中でも半導体の部素材について、日本メーカーは世界的に優位にあるとして、国内での安定供給体制を強化してサプライチェーン(供給網)を強靱(きょうじん)化する。


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日刊工業新聞 2023年06月26日

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