生成AIを月内導入、みずほFGの使い方
みずほフィナンシャルグループ(FG)は文章や画像などを自動で作成する生成人工知能(AI)を月内にも導入する。10月からは米グーグルのクラウドサービスを活用したデジタルマーケティング基盤の活用を段階的に始める。最新デジタル技術の導入で社内業務を効率化する。顧客データの分析に基づいて、適切な時期に最適な提案を顧客に行えるようにする。
米マイクロソフトのクラウドサービス「アジュール」を使い、情報が外部に漏れない生成AIを導入する。月内をめどにみずほFGと傘下のみずほ銀行、みずほ信託銀行、7月にもみずほ証券で利用を始める。
社員が生成AIに質問することで文章の作成や要約、翻訳などをチャット形式で行える。稟議(りんぎ)書の作成などでの活用を見込む。社員に利用してもらいながらアイデアを募り、生成AIの利用拡大につなげる。生成AIの活用は三菱UFJFGや三井住友FGなど他のメガバンクも導入に向け動きだしていた。
グーグルクラウドを活用したデジタルマーケティング基盤では顧客の金融取引の状況やコールセンターでのやりとり、ウェブサイトの閲覧履歴などを分析。適切な時期に最適な商品を提案できるようにする。みずほ銀のインターネットバンキング「みずほダイレクト」でも段階的に同基盤を提供する。2022年3月に米グーグルと合意したデジタル変革(DX)分野における戦略的提携の一環。
みずほ銀行が提供するスマートフォン決済サービス「Jコインペイ」のサービスも拡充する。全国各地の金融機関の預金口座から無料でスマートフォン用アプリケーションへの出入金ができる同サービスの基盤を活用し、複数のメタバース(仮想空間)上で利用できる決済サービスも23年度中にも始める。プリペイドカードなどとの連携も予定する。
みずほFGは21年2月からシステム障害が相次いだ影響で、デジタル化への対応が競合他社に向け出遅れていた。
システム障害を受けた改善施策が一巡し、新しい3カ年中期経営計画が始動したことで反転攻勢につなげる。