ソニーGが画像センサー新工場、熊本に27万㎡の土地取得へ
ソニーグループは25日、熊本県合志市で約27万平方メートルの土地を取得することを正式に明らかにした。近く契約する。画像センサー用の新工場を建設する。投資金額は未定としているが、数千億円規模になる可能性がある。中長期での画像センサー需要の拡大を見据え、生産能力を増強して成長につなげる。
25日に開催した事業説明会で傘下の半導体事業会社である、ソニーセミコンダクタソリューションズ(神奈川県厚木市)の清水照士社長が表明した。立地は、同県菊陽町にある既存の熊本工場や半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が建設中の新工場に近い。
清水社長は世界的な景気減速懸念など、「足元の不安定な指標を踏まえると、今後の需要動向を現時点で正確に見極めるのは非常に難しく、投資計画は慎重に精査する必要がある」とする一方、「不透明な状況の中でも長期視点に立って将来の準備を進めていく」とした。
その上で、2024―26年度が対象となる次期中期経営計画では、画像センサーの設備投資は現中計の約9000億円と「ほぼ同程度必要と考えており、今後も成長投資は継続していく」と説明している。
現在世界トップの画像センサーの金額シェアについては、25年度に60%と23年度見通しよりもさらに6ポイント高める目標を掲げており、地位をより強固なものとする。清水社長は、高価格帯のスマートフォンや車載、産業、物流用などで「画像センサー事業は中長期で成長が期待されている。これらの成長機会を確実に捉えることで、目標は達成できる」と自信を見せている。
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日刊工業新聞 2023年05月26日