半導体関連売上高1.6兆円見込むソニーG、シェア拡大へ社長が示す自信
ソニーグループの2024年3月期連結業績予想(国際会計基準)は、半導体関連製品を扱う「イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)」分野の売上高が前期比14・1%増の1兆6000億円となり、3期連続で過去最高を更新する見通しだ。スマートフォン向けイメージセンサーの増収などが要因。ただ、営業利益は減価償却費や研究開発費の増加に加え、為替が円高に振れることなどで、同5・7%減の2000億円を見込む。
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23年3月期のイメージセンサーの世界シェアは51%と前期比7ポイント伸びた。ただ24年3月期は景気減速懸念で中国や米国のスマホ市場など「事業環境は楽観できない」(十時裕樹社長)。一方で十時社長は、1インチセンサーなど「大判のセンサーをドライブしている(前に進めている)のは当社だ。中国系のOEM(相手先ブランド)生産による大判センサーの採用も進む。中期的にシェアを上げられる可能性は十分ある」とし、25年3月期以降のさらなるシェア拡大に自信を示す。
また、家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」などの「ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)」分野は、売上高が同7・0%増の3兆9000億円と3期連続で過去最高を更新する見込み。足元では品不足の解消でPS5の販売が伸びる。23年度の販売台数は「(単年度として自社の)歴代家庭用ゲーム機最多の2500万台を目指す」(同)。
24年3月期連結業績予想全体では金融分野の減収やI&SS分野の減益などにより、売上高で同0・3%減の11兆5000億円、営業利益で同3・2%減の1兆1700億円を予想している。
23年3月期連結決算は、売上高が初の10兆円の大台を大幅に超える同16・3%増の11兆5398億円と過去最高を更新。G&NS分野やI&SS分野のほか、音楽や映画分野における大幅な増収が寄与した。為替が期初より円安に振れたことの影響も大きかった。
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