世界初の「アンモニア燃料船」建造へ一歩、日本郵船などが試験成功
日本郵船など5者は、国産のアンモニア燃料エンジンを搭載した船舶の開発に向けて、陸上試験において世界で初めて4ストロークエンジンを用いて混焼率80%の燃料アンモニアの安定燃焼に成功した。同エンジンは試験を継続し、2024年6月に完成する内航船(A―タグ)に搭載される。引き続き5者は世界初のアンモニア燃料船の建造や国際ルール整備への貢献に協力する。
同取り組みに参画するIHI原動機(東京都千代田区)が、4月から太田工場(群馬県太田市)で内航船主機関向けのシリンダー直径280ミリメートルの4ストロークエンジンの運転試験を開始した。アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない一方、毒性があり取り扱いが難しい。今回、安全を確保しながら燃料アンモニアの混焼割合を高め混焼率80%を達成した。排ガス後処理装置や燃料供給設備などの試験も行い、安定した一体運用にも成功した。
同取り組みは日本シップヤード(東京都千代田区)、ジャパンエンジンコーポレーション、日本海事協会を含む5者で行っている。
日刊工業新聞 2023年05月17日