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4月の倒産、2カ月連続600件超え…増加傾向鮮明に

帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が11日発表した4月の倒産件数は、TDBが前年同月比25・3%増の610件、TSRが同25・5%増の610件だった。TDBは12カ月連続、TSRは13カ月連続で前年同月を上回った。倒産件数がTDB、TSRともに2カ月続けて月600件を超え、増加傾向が鮮明になっている。

負債総額はTDBが同2・9倍の2088億700万円、TSRが同2・5倍の2038億6100万円だった。不動産を手がけるユニゾホールディングス(HD)が、約1262億円の負債を抱えて経営破綻したことが響いた。

TDBの業種別は、全7業種で前年同月を上回った。建設業は同56・5%(48件)増の133件で、最も増加率が高かった。資材価格の高騰や人手不足が影響した。

TSRの産業別は、10産業のうち「小売業」を除く9産業で前年同月を上回った。「製造業」が同26・2%(16件)増の77件で、8カ月続けて前年同月を超えた。資材、光熱費の高騰、円安が影響した。小売業は同20・0%(15件)減の60件で、5カ月ぶりに前年同月を下回った。

TDBの主因別では「不況型倒産」が同33・5%(123件)増の490件で、構成比が80・4%だった。9カ月ぶりに構成比が80%を超えた。TSRの原因別では「不況型」が同32・8%(127件)増の514件で、構成比が84・2%だった。

TDBは「倒産動向が増加局面に入った。人手不足で事業を継続できなくなるリスクが高まっている」とみる。


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日刊工業新聞 2023年05月12日

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