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民間ロケット開発で初、JAXAが出資したスタートアップの正体

民間ロケット開発で初、JAXAが出資したスタートアップの正体

開発を進める機体(左、イメージ)と複合材タンク(JAXAとスペース・ウォーカー提供)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、スペース・ウォーカー(東京都港区、真鍋顕秀社長)に出資したと発表した。民間のロケット開発企業に出資したのは初めて。次世代複合材タンクの軽量化や長寿命化を進め、宇宙と地球上での活用を見込んだ事業化や脱炭素の実現が期待される。民間の宇宙事業の資金調達や事業成長が進み、新たな市場形成が加速する。

2022年に実施した「JAXAからの出資を希望する成果活用事業者の募集」に応募したスタートアップから選定。JAXAの知的財産を利用した事業を進めている企業や同知財の活用事業を目的とするスタートアップの中で、起業してから事業が軌道に乗るまでの数年を示す「シード・アーリー期」のスタートアップが対象。

スペース・ウォーカーは民間企業やJAXAと共同研究している東京理科大学発スタートアップ。高度約100キロメートルまで上昇した後、有翼で滑走路に着陸する宇宙飛行機を開発している。

ロケット開発の鍵となる「複合材タンク」の開発を進め、JAXAの成果を活用している。約1000気圧の超高圧ガス用と極低温のマイナス200度C程度の液体推進薬用の2種類について、軽量化と長寿命化に取り組む。

日刊工業新聞 2023年04月21日

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