暗号資産”高騰の指標”に!?、京大と理研が発見した「特異値」
京都大学のアビジット・チャクラボルティ特定助教と池田裕一教授、理化学研究所の初田哲男プログラムディレクターは、暗号資産価格と負の相関を示す特異値を発見した。価格の急上昇を予測する指標になる可能性がある。大きな価格変動を起こす異常事象は、マネーロンダリングや詐欺などとの関連が疑われる。米国スタートアップと協議し実用化を進める。
暗号資産の取引ネットワークから、相関行列を4次元に拡張した相関テンソルを構築する。相関テンソルから二重特異値分解という手法で特異値の時間変化挙動を求めた。すると最大特異値が暗号資産価格と負の相関があった。最大特異値を指標にすると価格の急上昇を早期検知できる可能性がある。
ブロックチェーン技術を用いた暗号資産は脱炭素エネルギーの取引などへの活用が期待されている。そのためにはマネーロンダリングなどの異常事象を事前に検知できる必要があった。
日刊工業新聞 2023年04月06日