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伝統的なシジミのしょうゆ漬けに酒が止まらず

海外出張グルメ紀行/台湾編③
伝統的なシジミのしょうゆ漬けに酒が止まらず

シジミのニンニクしょうゆ漬け

推薦者:三井化学会長・淡輪敏氏

「梅子(台北市)」

台北出張・駐在者を約60年惹きつける老舗は海鮮が売りだ。店名からして親日の雰囲気を強く感じさせ、店員さんの日本語対応も手慣れたもの。現地での読みは「メイヅー」だ。

飲兵衛なら、一押しメニューは伝統料理「シジミのニンニクしょうゆ漬け」だ。ニンニクしょうゆが染みたプリプリの身はお酒との相性抜群で、無限に食べられそう。なので飲み過ぎに注意。

淡輪氏の思い出の味は特に「担仔麺(タンツーメン)」だ。美食の街として知られる台南市発祥とされ、エビだしのスープに肉そぼろが特徴だ。

梅子の担仔麺は見た目よりさっぱりした味で量も少なく、食事の〆に最適。「店内に担仔麺屋台コーナーがあり、そこでつくってくれた」と懐かしむ。

1965年創業で、台北駅から徒歩約15分という距離はほろ酔いにちょうど良い。周囲はウナギなど日本料理屋が多く、ビジネスの最前線で日々奮闘している駐在員の安息地のようだ。

担仔麺は小ぶりで〆にピッタリ

台湾人のおもてなしに大感激

「最初のインパクトが強烈だった」。30代半ばだった淡輪氏は、台湾化学大手の長春集団創業者の1人である鄭信義氏と初めて会った。1980年代のことだ。

基礎化学品のフェノール営業担当で、長春はその顧客だった。あるときシンガポール経由で台湾入りする予定だったが、飛行機が大幅に遅延した。当初は鄭氏と夕食をともにするはずだったが、20時ごろに台北空港に到着した。

当然宴席はキャンセルになったと思っていたら、空港に代理店だった三井物産担当者が来ていて「鄭さんが店で待っている。急いで行こう」と言われた。結局は2次会まで招かれ、鄭氏が日本の曲をいくつも歌って聞かせてくれた。

「向こうがお客さんなのに、ここまでしてもらえるのか」と感激し、その日から台湾の大ファンになったという。淡輪氏が育んできた台湾化学産業とのつながりは今でも三井化学を支えている。(編集委員・鈴木岳志)

店舗情報

「梅子」外観
店名:梅子
住所:台湾台北市中山区林森北路107巷1号
TEL:02-25213200/25212813
営業時間:ランチ11時半から14時まで、夜17時半から22時まで
定休日:月曜日
HP:https://www.umeko.com.tw/
※情報は取材当時、最新情報は直接問い合わせをお願いします。

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