愛知製鋼がステンレス鋼材4割増産、水素利用の促進で拡大する需要掴む
愛知製鋼は、2026年度までにステンレス鋼材の供給能力を19年度比で4割増強すると発表した。電気炉の刷新や圧延ラインの集約、検査工程の見直しなどを段階的に進め、年産9万トンに引き上げる。水素の利用促進やインフラの更新などで拡大が予測されるステンレス需要に対応する。
ステンレス鋼材の増産は26年度までに3段階で実施する。今回は第1弾として約10億円を投じ、ステンレス鋼用電気炉「50トン溶解炉」の炉殻や制御システムを刷新。炉の容積を拡大し生産量を増やした。IoT(モノのインターネット)を活用した自動化で、作業負荷軽減や溶解効率向上による二酸化炭素(CO2)排出量の低減にもつなげる。
第2弾として23年内にも圧延工程の集約などで生産性を高めるほか、26年内には第3弾として熱処理や酸洗、検査の各工程で設備増強とラインの整流化を進める。
日刊工業新聞 2023年03月17日