核融合炉の重要機器、核融合研と東邦金属が開発した「ダイバータ」の特徴
自然科学研究機構核融合科学研究所の森﨑友宏教授と東邦金属は、核融合炉において余剰粒子や熱を除去する機器「ダイバータ=写真」を開発し、高温プラズマを8000回以上照射しても機器の接合部の異常や表面の損傷が認められなかったことを確認した。開発したダイバータはタングステンの使用を抑えているのが特徴で、軽量化やコスト削減につながることが期待できる。
研究チームが開発したダイバータはタングステンと銅合金、ステンレスで構成。材料間の接合でプラズマ放電による方法を採用し、ロウ材を接合で使用する従来品よりも接合強度を向上した。
耐久性を調べるため核融合研の保有する大型ヘリカル装置に取り付け、3カ月にわたって高温プラズマにさらした。その結果、機器自体の異常などはなかったという。今後、電子顕微鏡などで微細な分析を行う。
日刊工業新聞 2023年3月16日