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ウクライナ避難民、東京海上HDが雇用で支える

ウクライナ避難民、東京海上HDが雇用で支える

清掃業務にあたるウクライナからの避難民。希望するまで雇用を続ける

東京海上ホールディングス(HD)は、傘下のグループ企業でウクライナの避難民2人を採用した。これまでも同国と周辺地域の人道支援活動として寄付などをしており、さらに踏み込んだ人道支援を行うことが目的だ。本人が希望するまで雇用を続け、仕事を通じて日本で安定した経済基盤を確立できるよう後押しする。

ビルメンテナンスを担う傘下の東京海上日動ファシリティーズ(川崎市幸区)が採用した。2人は2022年11月に入社し、マンツーマンの研修を経てこのほど指導者がいなくても自立的にベッドメーキングなどの清掃業務が行えるようになったという。

入社したのは40―50代の夫婦で、ファシリティーズは採用にあたり総務や人事など部門横断のサポートチームを発足。小型通訳機「ポケトーク」を8台購入し、清掃業務を教える指導者と本人らに配って意思疎通を図った。

夫婦をサポートする同社首都圏営業第1部の池田昌弘氏は「2人はとても明るく、仕事の習得も早い。こちらが元気をもらっている」と話す。食事やバスの定期券の購入など仕事をする上で不便が生じることもあるため、サポートチームで意向を聞いて手助けするようにしているという。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以降、国外へ逃れる避難民は多く、日本にも約2300人が入国している。争いが長期化したことで、避難民にとって避難先で中長期的な生活を維持するため、職を探す動きがある。だが、言語の壁や頼れる知人がいないといった理由により、就労先を見つけることに苦労する場合が多いという。

日刊工業新聞 2023年03月07日

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