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半導体材など対韓輸出厳格化解除へ、政府が近く政策対話

半導体材など対韓輸出厳格化解除へ、政府が近く政策対話

(画像はイメージ)

経済産業省は、半導体材料などの対韓輸出管理を厳格化している措置を解除する方向で韓国政府と協議する方針だ。近く日韓間で政策対話を開くと6日発表した。日韓関係最大の懸案である元徴用工問題をめぐり韓国政府が同日、解決策を発表、関係改善に向かい始めた。輸出管理問題も解消に向かう可能性が出てきた。

経産省は2019年7月、半導体や有機ELディスプレーに使われるフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素について韓国への輸出手続きを厳格化した。以前は複数の製品をまとめて申請する包括輸出許可制度を採用し、手続きを簡略化していたが、個別に輸出許可申請を求める手続きに変えた。また、同年8月、先端技術などの輸出管理に関する優遇制度「ホワイト国(現グループA)」から韓国を除外することを決めた。

6日の発表では「19年7月以前の状態に戻すべく、関連の2国間の協議を速やかに行っていく」とした。

経産省の説明によると厳格化の理由は韓国の輸出管理が適切に運用されているか確認できず、不適切な事案が発生していたため。日本政府は元徴用工問題とは無関係との立場だ。韓国はこれに対し元徴用工問題をめぐる報復措置だと反発、同年9月に世界貿易機関(WTO)に提訴した。

経産省は、政策対話で韓国の輸出管理の実効性を確認した上で、対韓輸出管理の運用を検討するとの立場をとってきた。しかし韓国がWTOに提訴したことで、政策対話が難しくなっていたという。

韓国政府は6日、協議の間、WTO紛争解決手続きを中断すると発表した。経産省は、政策対話を再開する環境が整ったと判断した。政策対話は20年3月以来開かれていない。

日刊工業新聞 2023年03月07日

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