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次世代太陽電池「ペロブスカイト」で高光電変換効率と高耐久を両立、京大などが表面処理で新手法

京都大学の若宮淳志教授や英オックスフォード大学のヘンリー・スネイス教授らは、スズ―鉛混合系ペロブスカイト太陽電池の薄膜表面をフラーレンカルボン酸誘導体(CPTA)などを使って処理する手法を開発した。高い耐久性で最高22・7%の光電変換効率と、窒素ガス雰囲気下で2000時間後も96%の出力を保持する高耐久性を実現。安定した材料に変えることで耐久性と、研究の再現性が向上した。

開発した相乗的ペロブスカイト表面パッシベーション法の概要図(京都大提供)

研究チームは2022年にエチレンジアンモニウムジヨード(EDAI2)とグリシン塩酸塩(GlyHCl)を使った薄膜表面処理法を発表。海外へサンプルを送ったところ特性が低下していたことが分かり、耐久性を高める手法を模索することになった。

そこで構造が異なり、より安定性が高いジアミンとCPTAを採用。前回の手法を応用して薄膜表面に塗布した。X線光電子分光法(XPS法)などを使って解析した結果、EDAI2などを使った方法で達成した光電変換効率にわずかに及ばなかったが、耐久性や再現性で優位性が認められた。

日刊工業新聞 2023年02月01日

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