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大阪公立大と国立天文台がAIで描いた「天の川銀河」の全容

大阪公立大と国立天文台がAIで描いた「天の川銀河」の全容

銀経・銀緯は天の川銀河の中心を(銀経,銀緯)=(0°,0°)とする銀河座標系(国立天文台野辺山宇宙電波観測所提供)

大阪公立大学の藤田真司客員研究員や国立天文台野辺山宇宙電波観測所の西村淳特任准教授らは、宇宙電波望遠鏡で取得したビッグデータと人工知能(AI)を活用して天の川銀河に存在する星間分子ガス雲の分布のうち3分の1程度を描写することに成功した。この研究により、大きな星や星団を作る「星間分子ガス雲同士の衝突」の頻度計算など天文学の多様な研究に役立つと見られる。

研究チームは、国立天文台野辺山宇宙電波観測所(長野県南牧村)の45メートル宇宙電波望遠鏡から取得した一酸化炭素分子データにより、星の材料となる星間分子ガス雲約14万個を同定。これは天の川銀河の全ての星間分子ガス雲の3分の1に相当する。

さらにAIで星間分子ガス雲の近遠を推定した上でサイズや質量を計算することで、星間分子ガス分布の描写を実現した。

成果は、日本天文学会欧文研究報告のパブリケーションズ・オブ・ザ・アストロノミカル・ソサイエティ・オブ・ジャパンに掲載された。

日刊工業新聞 2023年01月31日

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