三菱重工とJAXAの「H2A」打ち上げ成功が示したこと
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日10時50分ごろ、防衛や災害への対応など危機管理に必要な「情報収集衛星レーダ」7号機を大型基幹ロケット「H2A」46号機で種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げた。同7号機は約20分後にロケットから分離。予定の軌道に入り、打ち上げは成功した。日本の宇宙輸送分野の信頼性の高さを示した。
情報収集衛星は電波を使うことで夜や天候が悪い時でも地球上を観察できる。1998年に北朝鮮から弾道ミサイルが発射されたことを受けて導入した偵察衛星で、内閣官房が運用している。軍事施設の監視だけでなく、地震などの大規模災害時に地球上の様子を撮影するなどの対応にも使う。
今回打ち上げに使ったH2Aは同50号機で引退となり、後継機となる新型の大型基幹ロケット「H3」につなげる。2月13日にはH3試験機1号機を打ち上げる予定。
【関連記事】 航空機リースのからくり
日刊工業新聞 2023年01月27日