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工期10分の1、鹿島が特許を取得した「床版更新工法」の全容

鹿島は12日、道路橋床版の更新工事に伴う交通規制を大幅に減らせる工法「スマート床版更新(SDR)システム」の「床版架け替え方法」の特許が成立したと発表した。同工法は超高速施工、周辺への安全性向上、鋼桁への影響低減の特徴がある。今後、床版取替工事の主流となる「幅員方向分割(2車線道路の場合1車線規制)取替」で、従来の標準的な工法と比べ工期を10分の1に短縮する超高速施工が可能。老朽化した床版の更新需要をにらみ、特許の取得を受けて同工法を自社の工事だけでなく、他社の工事にも適用を目指す。

SDRシステムは床版撤去機や床版架設機の内部を床版の搬出用トラックや運搬台車が通過できるため、既設床版、新設床版の旋回を伴う揚重の作業が不要となる(写真)。最小規制範囲での施工となり、近接する交通や周辺施設に対する安全性が高まる。

また、軽量の床版撤去機と床版架設機を使い、大型クレーンを用いる標準的な施工方法に比べて、施工時に鋼桁に与える影響(発生応力)を2分の1から3分の1に低減できる。

日刊工業新聞 2022年12月13日

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