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脱炭素エネ転換をけん引、コスモHD新社長の山田氏はこんな人

脱炭素エネ転換をけん引、コスモHD新社長の山田氏はこんな人

会見する山田次期社長(左)と桐山社長

コスモエネルギーホールディングス(HD)は24日、山田茂取締役常務執行役員(57)が4月1日付で社長に昇格すると発表した。桐山浩社長(67)は代表権のある会長に就任する。

山田氏は、事業会社のコスモ石油の供給部長からHDの経営企画部長となり経営計画の策定に携わった。電力事業や洋上風力発電などの再生可能エネルギー事業もけん引する。

石油業界は需要が減少する中、脱炭素への転換が求められる。山田氏は「脱炭素社会の実現、当面のエネルギーの安定供給、デジタル変革(DX)の推進」の三つを課題に挙げる。具体的な道筋は洋上風力を中心とする電源開発、蓄電池による調整機能、販売機能の強化だ。特に洋上風力発電は「FITがからFIPになり環境は厳しくなるが事業自体に魅力はある。積極的に取り組む」考え。

石油元売りの3番手だがトップ2は巨大、独自色をいかに出すかが問われる。アンモニアや水素、合成燃料、SAFなど既存の製油所設備と親和性が高く、コストが合う技術の絞り込みが必要だ。投資家の村上世彰氏が関わるシティインデックスイレブンスが約2割の株を保有し揺さぶりをかける中、次期中計で明確な方向性を打ち出し投資を集中することも必要だ。

大協石油が86年に丸善石油と旧コスモ石油を合併して誕生した新生コスモ石油の入社組で初の社長。「石油は事業会社がしっかりやる。HDが新しいことに挑む」(桐山氏)。

【略歴】山田茂氏 88年(昭63)成城大経済卒、同年コスモ石油(現コスモエネルギーHD)入社。15年供給部長、18年執行役員経営企画部長、20年常務執行役員、同年取締役。山形県出身。

素顔/コスモエネルギーHD社長に就任する山田茂(やまだ・しげる)氏 根が明るく満遍なく活躍 

「いつも頼りにしている。満遍なく活躍している」。桐山社長は山田氏をこう評する。根が明るい実直な人柄。「人の話をよく聞きたい。押し付ける未熟さを自覚している」とは自分評だ。

石油元売りの扇の要である供給部門が長い。キグナス石油との提携や、東日本大震災で被災した千葉製油所の再稼働などの難題を乗り越えた。石油需要が減少し、脱炭素という新たな時代に向け中期経営計画を策定中で、業界を超えた協業も視野にいれる。

座右の銘は清朝の軍人で政治家、曽国藩の「四耐四不訣(したいしふけつ)」。事を成すために耐えるべき四つ、すべきでない四つを述べた言葉だが「『一つもできていない』と時折、見返し戒めている」とか。旧村上ファンドとの交渉も待ち構える。「株主だけでなくすべてのステークホルダーが納得できる中計を出す」と自然体だ。趣味は古い映画やいろいろな音楽の鑑賞。(編集委員・板崎英士)

日刊工業新聞 2023年01月25日

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