積水化学が放熱材料で新工場、EV需要を狙う
積水化学工業は16日、米ケンタッキー州に放熱材料の新工場を建設すると発表した。電気自動車(EV)シフトで米国の車メーカーや、リチウムイオン電池(LiB)・電装品メーカーからの放熱需要が拡大しているという。グループの既存拠点の敷地内に、子会社「積水ポリマテック」(さいたま市桜区)が新たに建設する。建屋面積は約3000平方メートルで、8月の稼働開始を予定する。生産能力や投資額は非公表。
新工場では、生産ラインの自動化に適しLiB関連で採用が進むグリス(半液)状製品を主に手がける。米国でのEV生産台数は、2025年度に22年度比約3倍の360万台に上るとも予測され、関連材料の需要増が見込まれる。
積水化学は熱伝導性や低アウトガス性などに優れた放熱材料を手がけ、日本、タイ、中国、欧州の4拠点体制で生産している。今後は米国や欧州でのマーケティング活動を強化し、放熱材料事業の拡大やモビリティー向け新製品開発に注力する。
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日刊工業新聞 2023年01月17日