三菱自動車が小型車「ミラージュ」の日本向け生産を終了する背景事情
三菱自動車は2023年2月にタイで小型車「ミラージュ=写真」の日本向け車両の生産を終了する。日本では在庫がなくなり次第、販売も終える。23年4月に国内で新たな法規への対応が求められるが、開発コストなどを総合的に判断して改良を見送ることにした。強みの4輪駆動(4WD)技術を生かせるスポーツ多目的車(SUV)などに販売を集中する。
ミラージュは1978年に国内で初代モデルを発売した。現在の6代目は12年8月に発売。5人乗りの小型ハッチバックで、排気量1200ccのガソリンエンジンを搭載する。6代目の国内累計販売台数は5万7000台を超えるが、足元の販売は月百数十台程度にとどまっていた。
ミラージュは世界戦略車として開発。タイのチョンブリ県やフィリピンのラグーナ州の工場で生産し、日本、東南アジア、欧州、北米など世界70カ国以上で販売している。21年度に世界で7万1000台を販売した。
22年には豪州でもミラージュの販売を終了した。同国では21年に側面衝突の安全基準が改正されたが、対応を見送った。
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日刊工業新聞 2022年12月28日