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郵船ロジスティクスが日本で導入、キャリア形成促す3つの選択肢

郵船ロジスティクスが日本で導入、キャリア形成促す3つの選択肢

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日本郵船グループにおいて物流事業の中核を担っている郵船ロジスティクスは、47の国と地域に約2万5000人の社員が所属している。2018年に全世界の社員に対して働き方に関する一斉調査「グローバルエンゲージメントサーベイ」を実施し、それらの結果を基に各国制度の改善に役立てている。

物流サービス業にとって優れた人材の確保・育成は極めて重要であり、社員に対して求める人物像や必要な知識やスキルなどを明確化。社員自らが能力やスキルに対して意欲的に開発することを支援している。

一方、約1300人の社員が在籍する日本では19年に「チャレンジ異動」制度を導入した。同調査の結果から、「世代間のギャップと積極性に対する問題意識に応えるため」(郵船ロジスティクス)設置したもので、社員がより対等に自身のキャリアについて主体的に形成していくためのものだ。

具体的には自身でキャリアプランをアピールする「キャリア自薦型」、公開されているポジションに立候補する「人財マッチング型」、職務や勤務地などが明確なスポット募集に応募する「ポスト公募型」の3種類で実践している。こうした選択肢を提示することで、社員が自らのキャリアパスを深く考える機会にもなると考えている。

また同年からは自己啓発の機会として「CBC塾」を開設。グループ会社の従業員なら年代・勤務体系に制限なく誰でも参加可能なのが特徴で、財務や外国語会話、コーチング、デザイン思考などの講座を用意し、就業時間外に開催している。あくまで自発的に学ぶ取り組みのため、給与などは支給されず、費用も一部自己負担となるが、「個別で申し込むよりリーズナブル」(同)としている。

田中晴帆執行役員は今後の取り組みについて、「多様な価値観や働き方に応じ、社員自ら能動的にキャリアパスを描ける制度にしていきたい」と展望を述べている。

日刊工業新聞 2022年11月29日

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