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自動運転時代の車室空間を製品化へ、トヨタグループが取り入れる新マーケ手法

トヨタ自動車グループの大手部品メーカー3社が、共同開発品の評価に新しいマーケティング手法を取り入れている。デンソー豊田合成トヨタ紡織は、自動運転時代を想定し仮眠を支援する車室空間システムを共同開発、東京都渋谷区の体験型店舗で実証評価を始めた。期間は30日まで。より幅広い顧客に試してもらい、将来の製品化や新たな開発につなげる。

3社が共同開発したのは、ディスプレーやシートなどを組み合わせた車室空間のコンセプトモデル(写真)。実証実験をテーマにした店舗「b8ta(ベータ)Tokyo―Shibuya」に設置した。シートによる姿勢制御、空調などを使った温度調節、光、香り、音という五つの要素で心地よい仮眠環境を作る。

5―20分の仮眠が心身のリフレッシュや集中力向上に最適との研究結果などを参考に、車内での空き時間に効率的かつ効果的に仮眠を取れるようにする。

開発品を公開するのは今回が初めてで、一般消費者向け店舗で発売前の自動車部品の試作品を設置する事例も多くはない。デンソーは「製品化の時期は未定だが、ユーザーの評価を反映して評価手法などを確立し、幅広い製品開発につなげたい」としている。


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日刊工業新聞 2022年11月29日

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