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冷え性改善に期待、北大が発見した赤ビーツの手指温め効果

冷え性改善に期待、北大が発見した赤ビーツの手指温め効果

北海道内でも栽培されている赤ビーツ(北大提供)

北海道大学の若林斉准教授らは、赤ビーツに冷えた手指を早く温める効果があることを示した。手指を冷却後の回復作用を調べた結果、赤ビーツ飲料を摂取すると皮膚血流増加が大きく、冷え性傾向の強い人ほど皮膚温回復作用が大きかった。冷え性者の末梢(まっしょう)部血流促進や冷え改善への活用が期待される。

20人の健康な成人男性を対象に効果を検証した。140ミリリットルの赤ビーツ飲料か水を摂取し安静にした後、8度Cの水に手指を30分間浸して冷却。その後、室温27度Cの環境で指先の皮膚血流や皮膚温度の回復を測定した。

その結果、水摂取では皮膚温回復の遅い人が赤ビーツ摂取では回復が促進され、水条件で回復の遅い人ほど赤ビーツで回復が速まった。

指先皮膚温の回復速度は水条件の1・15倍程度で、指先の皮膚血流の増加が促進されることも分かった。

赤ビーツに豊富に含まれる硝酸塩は体内で一酸化窒素に変化し、これが持つ血管拡張作用により血圧降下や血流促進の効果を示す。

近年、赤ビーツは血圧降下作用や抗酸化機能を持つ「スーパーフード」として注目され、北海道などで栽培が進められている。

日刊工業新聞 2022年11月04日

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