手指まひの筋力維持・回復促す、システムを実現したスゴい生体模倣ロボット技術
住友ファーマは医薬品以外を手がけるフロンティア事業の製品第1弾として「MELTz手指運動リハビリテーションシステム=写真」を発売した。メルティンMMI(東京都中央区)との共同開発。生体信号処理と生体模倣ロボットの技術で、脳卒中などによる手指まひのリハビリテーションで筋力の維持や回復を促す。今後、両社で臨床研究を行い改良を進め、新医療機器または改良医療機器としての承認取得も目指す。
同システムは筋肉の微弱な電気信号を高精度に測定し高速で動きに変換。信号の微妙な変化を人工知能(AI)解析技術で瞬時に識別し、意図どおりの手の動きを支援し、患者の意志と動きが瞬時に連動する。独自の駆動技術で筋肉や腱の役割を担うワイヤが手指を駆動。力の制御により、大きさや形が異なるさまざまな物体を持てる。
メルティンが製造販売業者として医療機器認証を取得しており、住友ファーマが独占的に供給を受ける形。自社で医療機関へ情報提供を行い、栗原医療器械店(群馬県太田市)などの代理店経由で販売していく。
日刊工業新聞2022年10月17日