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高精細な映像浮かべる空中ディスプレー、実現した京セラのスゴい独自技術

高精細な映像浮かべる空中ディスプレー、実現した京セラのスゴい独自技術

新しく開発した独自技術で空中に表示される映像の解像度を向上(京セラ提供)

京セラは空中に高精細な映像を浮かび上がらせて操作できる空中ディスプレー技術を確立した。独自設計のミラーを最適配置することで、従来製品より高解像度での空中表示を実現した。これまでも同社は空中ディスプレーを開発し2020年には試作品を完成させたが、解像度の低さが課題だった。新技術では他社に協業を呼びかけ、商業・娯楽施設や医療現場など向けの空中ディスプレーとして26年度までの実用化を目指す。

空中ディスプレーは光の再帰性を利用した技術。光源である小型ディスプレーの映像をミラーで反射し、空中に実像を表示する。特殊なメガネを使わず空中の映像を視認できることが特徴。センサーなどを搭載することで、映像をタッチパネルのように操作することもできる。

京セラは独自技術で従来製品より解像度を高め、空中に表示される映像の飛び出し距離を伸ばした。光利用効率も高め、低消費電力を実現。同社は商業施設での製品展示など、高精細な空中ディスプレー技術が生かせる場面での活用を見込んでいる。また車載市場へも提案していく。

一般的な空中ディスプレーは、再帰した光の結像性能が悪く、空中に表示された映像がぼやけることが多かった。そのため多彩な映像表現ができず、非接触でボタンを操作できる装置などでの利用にとどまっていた。

空中ディスプレーはコロナ禍をきっかけに市場が拡大。国内ではアスカネット(広島市安佐南区)などが手がけている。


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日刊工業新聞2022年10月14日

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