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守りに強いが攻めに弱い銀行。フィンテックへ「中抜き」の危機感

顧客データの解析力、非対面融資が競争力を左右

安全安心だけを銀行に求める時代ではない


 銀行は前例重視で、「守りに強いが攻めに弱い業界」とされてきただけに、新サービスの普及に懐疑的な見方もある。三井住友フィナンシャルグループの宮田孝一社長は「従来は安全重視で踏み出せなかった部分にも挑まなければいけない。お客様のニーズが変化して、安全安心だけを銀行に求める時代ではなくなった」と時代への対応の必要性を説く。

 傘下の三井住友銀行では16年度の採用活動で、卒業後2~4年程度の若い社会人経験者の採用枠を新たに設ける。10月入行予定で、30人程度を採用する。フィンテック時代の到来を見据え、従来の銀行の発想にとらわれない人材の確保につなげる狙いだ。
 
 08年秋のリーマンショック後に金融機関が繰り広げてきたマネーゲームの膨張に一定の歯止めがかけられた中、フィンテックは台頭してきた。実体経済と乖離せずに、膨大なデータから顧客の日常生活のニーズを読み解けるか。他業界では「当たり前」のことが今、求められている。
(文=栗下直也)
日刊工業新聞2016年1月28日金融面一部修正加筆
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
人工知能や電子決済、クラウドファンディングから顧客対応のロボット、スマートフォンのアプリまで「フィンテック」と一括りにされていたのが2015年のフィンテックを取り巻く現実でした。具体的なイメージを思い浮かべられるようなサービスが生まれなければ、フィンテックが定着したとはいえないでしょう。今年は定着の試金石になるのでは。

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