ばら売りネジからラベルよさらば、直接印刷する技術開発
八幡ねじ(愛知県北名古屋市、鈴木則之社長)は、ホームセンターなど小売店でのネジのバラ売り方法を刷新する。貼付が必要な日本共通商品コード(JANコード)を製品に直接印刷する技術の開発や、コードを印刷したキャップをネジにはめるなどして、コードを貼ったり剝がしたりする手間を省く。パッケージも変更して、環境負荷の低減を進める。
金属製アンカーなど1本ずつのバラ売り製品は、製品本体にレジで読み込むためのJANコードシールを貼って販売している。これを直接金属へ印刷する技術を開発した。白い下地を印刷で作り、そこにJANコードを重ねて印刷する。シールを貼る作業を減らすとともに、使用時に剝がす手間がかかったり、のりが残ったりする課題も解決する。
鈴木社長は「まだ1本ずつ機械にセットして印刷するという段階だが、いずれ量産体制を整える」と話す。現状は最小在庫管理単位(SKU)で約100に対応し、将来は1万を目指す。現在、コードの印刷面積のある金属製アンカーのみで使えるが、今後レジでの2次元コード「QRコード」の読み込みが広まれば、印刷面積が小さくなるためボルトやナットにも使用可能になる。
また、長ネジは軸が全てネジ切られており印字可能面がないため、コードを印刷したキャップをはめて対応する。長ネジは年間約15万本出荷している。
このほか、パッケージも8月末からバイオマスプラスチックに順次切り替えている。八幡ねじでは、年間約28トンのプラスチックを包装用で使用しており、切り替えにより7トン程度の石油由来プラスチックを削減できる見込みだ。
日刊工業新聞2022年9月8日