日系4社の米新車販売、7月が3割減のワケ
米国の自動車市場は半導体など部品不足に伴う生産制約の影響が続いている。日系自動車メーカー4社合計の7月の米国新車販売台数は、前年同月比29・3%減の約31万4000台と、12カ月連続で前年同月実績を下回った。減少幅は6月の同31・3%減、5月の同40・3%減と比べ縮小しているが、20%を超える減少が5カ月間続いている。一方、今後は半導体需給の逼迫(ひっぱく)が改善するとの見方もあり、動向が注目される。
メーカー別の7月の新車販売は、トヨタ自動車が同21・2%減と、12カ月連続で減少した。ハイブリッド車(HV)など電動車の販売は同32・4%減の約3万8000台。全体に占める電動車の販売比率は同3・5ポイント減の21・7%となった。
ホンダの新車販売は同47・4%減と、12カ月連続のマイナス。40%を超える減少が4カ月間続く。強い需要が続くが、部品調達や物流面の制約を受ける。マツダは同28・5%減と、4カ月連続で減少。SUBARU(スバル)は同17・1%減と、2カ月ぶりのマイナスとなった。
調査会社のマークラインズによると7月の米市場全体の新車販売台数(推計値を含む)は、同11・7%減の約114万8000台と、12カ月連続で減少した。内訳はピックアップトラックなどの小型トラックが同8・3%減の約90万6000台、その他の乗用車は同22・4%減の約24万1000台だった。
米国メーカーではゼネラル・モーターズ(GM)が同9・9%減の約17万8000台、フォード・モーターが同36・8%増の約16万3000台、テスラが同36・9%増の約4万3000台だった。市場シェアではGMが同0・3ポイント増の15・5%で首位、トヨタは同1・9ポイント減の15・5%、フォードが同5ポイント増の14・2%で続いた。
野村証券の桾本将隆アナリストらは8日付のリポートで、7月の米新車販売について「日系メーカーの生産回復の遅れもあり予想を下回った」とした。生産面では、自動車用半導体は他産業向けの半導体需要が弱まる中で順次供給が改善すると予想し、「車の販売は8―9月から回復がより鮮明になるだろう」との見方を示した。