サブスクで手軽にEV利用、自動車メーカーのあの手この手
自動車各社が電気自動車(EV)をサブスクリプション(定額制)サービスで提供する動きが広がる。日産自動車は自社のサブスク「クリックモビ」に軽EV「サクラ」とEV「リーフ」を追加して4日から提供を始めた。トヨタ自動車や三菱自動車も自社のサブスクでEVを展開している。初期費用の抑制などサブスクの特徴を生かして購入手法の選択肢を広げ、EVの利便性向上につなげる。
日産はクリックモビでEV2車種の利用料金(消費税込み)を、サクラで月額2万2990円から、リーフで同4万1250円からとした。また任意で自動車保険を選べる仕組みを導入。出産や海外転勤など一部条件における中途解約金免除制度も設定してサービスを拡充した。
クリックモビでは7月に全面改良して発売したスポーツ多目的車(SUV)「エクストレイル」の新型車も追加。独自技術「eパワー」を搭載したハイブリッド車(HV)専用車で、電動車の品ぞろえも拡充する。
トヨタは5月に発売した同社初のEV専用車「bZ4X」をサブスク「KINTO(キント)」のみで提供。車載電池を回収する仕組みの構築など新たな販売モデルの確立も目指す。三菱自は6月に発売した軽EV「eKクロスEV」をサブスク「ウルトラ・マイカープラン」でも販売。楽天グループが運営する電子商取引(EC)サイト「楽天市場」でも展開している。
各種調査によると、EVは諸経費を含めた車両価格の高さが購入をためらう一因とされる。車各社はサブスクで保険料や保守費用といった諸経費を月額利用料に盛り込み、手軽に利用できるサービスとすることで、EVの普及を後押しする。
日刊工業新聞 2022年8月18日