三井不動産と東京ガスがコージェネ活用で引き上げる八重洲エリアの競争力
三井不動産と東京ガスは9月から東京・八重洲エリアでコージェネレーション(熱電併給)を活用したエネルギー供給を始める。8月末に竣工する再開発街区「東京ミッドタウン八重洲」と既存の「八重洲地下街」が対象で、災害時にもエネルギーの安定供給を継続することで防災力を向上。併せて、八重洲エリア全体の競争力を引き上げる。
両社が共同出資した三井不動産TGスマートエナジー(東京都中央区)が、地震の影響が少ない再開発街区の地下にコージェネレーションプラントを設けた。災害時の信頼性が高いとされる中圧の都市ガスを燃料とし、系統電力が停電した場合も発電を継続。断水時にも、蓄熱槽の水を有効活用することで熱供給を続けられる。
供給エリアの延べ床面積は、東京ミッドタウン八重洲と八重洲地下街の合計で約36万平方メートル。入居テナントだけでなく、街区内に設置するバスターミナルや小学校、一時滞在施設などにも電気と熱を継続して供給できる体制とする。三井不動産TGスマートエナジーによる熱電併給は、東京・日本橋、豊洲に続き3カ所目となる。
東京ミッドタウン八重洲は、東京駅東側に広がる八重洲エリアで三井不動産が進める大規模再開発の一つ。複数事業者による再開発が並行する中で、先駆けて竣工する。約20棟を解体し、オフィスや敷地内にあった中央区立城東小学校、ホテルなどが入る複合ビル、周辺のバス停を集約した広大なバスターミナルなどを仕上げる。
日刊工業新聞 2022年8月18日