国産SAFの事業化検討、三井物産とコスモ石油の目論見
三井物産とコスモ石油は28日、国内で持続可能な航空燃料(SAF)製造の事業化を共同で検討すると発表した。三井物産が出資する米ランザジェット(イリノイ州)が開発した技術を用い、コスモ石油の製油所で大規模製造し、2027年度までに年間22万キロリットルの国産SAF製造と供給を目指す。24年後半に最終的に投資を判断する。
ランザジェットの技術は大規模なSAF製造に優位性があり、アルコール(エタノール)を原料に触媒反応を通じて製造するもの。すでに航空機への導入に必要な規格を取得しており、現在、デモプラントを米ジョージア州で建設中だ。
SAF製造の過程で副産物として生成される年産2万キロリットルのリニューアブルディーゼルも空港内の輸送機やトラック、重機などを対象に販売を検討する。
三井物産のエタノール調達機能とコスモ石油のプラントの操業や、ジェット燃料の品質管理、物流を組み合わせ、安定したSAFのサプライチェーン(供給網)構築と事業創出を実現する。
日刊工業新聞2022年7月29日