三菱重工が航空機の脱炭素を推進する、米ボーイングと協業
三菱重工業は米ボーイングと航空機のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向けて覚書(MOU)を結んだ。持続可能な航空燃料(SAF)、水素、電動化など航空機の脱炭素化につながる新分野で協業する。具体的な内容は今後詰める。両社はボーイングの民間機生産で協力してきた。MOUにより、脱炭素化でも協力する。
英国で開催中の航空産業展「ファンボロー国際航空ショー」で19日(現地時間)、両社幹部が調印した。航空機へのSAFの利用拡大など脱炭素につながる取り組みについて、両社で実現への課題を共有し、具体的な協業や役割分担を検討する。
SAFは航空機の脱炭素化の有力手段だが、サプライチェーン(供給網)構築やコストが課題とされる。両社で課題解決に向けた協業内容を検討する。航空機への水素の燃料利用、航空機の機体の電動化についても、同様に進める。
環境に配慮した機体の素材、二酸化炭素(CO2)回収、環境負荷の低い推進技術、新しい機体のコンセプトでの協業も視野に入れる。
日刊工業新聞2022年7月21日