工学院大が開始、「建築デジタルツイン教育」の中身
工学院大学はリアルとサイバーを行き来する建築系のデジタルツインの教育を始める。ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)をキーワードに、大型ビジョンでデジタル技術とリアルスケールの双方を体感する。建築学部のまちづくり・建築・建築デザイン各学科と文理を横断し、2022年度後期の1年生からスタートする。
設置する「デジタルツインラボ」は、現実の建物で起きているリアルタイム情報を、シミュレーションに連動させるなどの教室群だ。目玉はデジタルツインを建物のリアルスケールで実感できる、壁一面の作業空間を持つデジタルスタジオだ。建築、構造、設備、シミュレーションから維持管理まで、BIMの一貫活用や統合マネジメントができる人材を育成する。
デジタルで設計・制作に取り組むデジタルファブリケーション(データを基にしたモノづくり)の工房も置く。また東京都新宿区の29階建て校舎における地震用加速度センサーを増強し、温湿度や風速、照度などの環境センサーを教室に設置。リアルデータを活用する。文部科学省事業の採択を受けてこれら設備を導入する。
同学部のデジタル教育はこれまで、技術系の建築学科の学生が中心で、約2割しか学んでいなかった。しかし高校でプログラミング教育が必修化され、デジタル技術の素養を持つ学生が増えることから文系寄りの学生にも拡大。構造、環境、都市など各専門における教育DXにつなげていく。
日刊工業新聞2022年5月26日