マスク着用でも顔認証できる、AIシステムの仕組み
オムロンは同社の顔画像認識技術「OKAO Vision」にマスクを着けたままでも顔認証が可能な機能を追加し、販売を開始した。独自の人工知能(AI)技術で、マスクに隠れていない目の周囲の特徴を判別できる。企業や商業施設の入退館システムなどでの導入を見込む。マスク対応版を含めたOKAO Visionの顔認証ソフトウエアの国内売上高を、今後3年間で2倍に増やしたい考えだ。
マスクをしている人物を特定するには、事前にマスクを着用していない顔画像データの登録が必要だが、もともと保有している静止画1枚でも対応できる。入退館以外にも工作機械の操作記録への利用なども見込む。
OKAO Visionは顔画像から性別や年齢、表情などを推定する機能などを備える。デジタルカメラやスマートフォン、プリントシール機を中心にこれまで15億台以上のライセンスを出荷してきたものの、マスクを着用した状態での顔認証への対応は難しかった。コロナ禍で企業や施設への入退館などに顔認証を利用する動きが広がる中、顔認証をスムーズに行うことが課題だった。
日刊工業新聞2022年5月6日