「水素航空機」実用化へ、川崎重工がエアバスと連携
欧エアバスと川崎重工業は、航空機への水素利用に向けて連携する。エアバスは2035年までに水素燃料の航空機の実用化を計画する。川重は水素を中核事業に位置付けている。両社は水素の生産から空港への輸送、航空機への補給までのサプライチェーン(供給網)構築について、23年2月まで共同で調査し、ロードマップを作成。その後も実用化への課題解決に共同で取り組むことを視野に入れる。
両社は同日都内で会見し、ステファン・ジヌーエアバス・ジャパン(東京都港区)社長は「水素航空機の実現と普及には、空港の水素インフラ構築が必須だ」と連携の意図を説明。西村元彦川重執行役員水素戦略本部副本部長は「輸送、貯蔵、航空機への補給の課題を特定する」と調査の狙いを説いた。
川重は岩谷産業などと、豪州で褐炭から製造した水素を日本に液化運搬船で運ぶ実証を成功させた。発電や交通など多分野で水素の事業化を目指しており、航空機での取り組みも本格化する。
エアバスは航空機運航のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現には水素航空機が必須とみており、水素燃料のコスト削減も含め、川重との連携で課題解決に取り組む。
日刊工業新聞2022年4月13日