リニア投資12%減、JR東海が9年ぶり設備投資減額の理由
JR東海は2022年度の連結設備投資計画を、過去最大だった21年度計画比8・7%減の6830億円とした。減額は9年ぶり。リニア中央新幹線には同12・8%減の3750億円を投資する。リニア以外では自然災害などへの安全対策を進め、新型車両投入で輸送サービスも充実する。
リニア関連の設備投資減額は、大規模用地の取得がピークを過ぎたことに加え、本格的なトンネル掘削工事前の地盤調査掘進をより慎重に進めるため。静岡県内の工事費用は計上しなかった。
安全・安定輸送の確保には1200億円を計画する。東海道新幹線の浸水対策と脱線防止ガード敷設、プラットフォーム上屋の耐震補強などを実施する。輸送サービス充実では新幹線新型車両「N700S」や在来線新通勤型車両「315系」の追加投入、ホームへの可動柵設置などに1240億円をかける。
日刊工業新聞2022年3月28日