大阪・泉州地区が女性の創業を後押しする狙い
大阪府南部の泉州地域で、女性による創業の活性化を目指し、地域で活動する産業支援機関が市域を越えた連携に乗り出す。日本政策金融公庫泉佐野支店が音頭を取り、岸和田、貝塚、泉佐野の各市で創業を支援する3機関がネットワークを構築。事業が軌道に乗るまで、地域ぐるみの伴走型で支援する体制を整える。起業支援を通じて女性のエンパワーメント(能力開花)を推進するとともに、中心市街地の活性化、雇用創出などにつなげる。
参加するのは、岸和田市が運営する無料の経営相談所「岸和田ビジネスサポートセンター(キシビズ)」、貝塚市の民間コワーキングスペース「ポートフォリオ」、泉佐野市のまちづくり会社「バリュー・リノベーションズ・さの(VRS)」。連携は「レディー・ゴー・プロジェクト」と名付け、31日に協定を結ぶ。
従来は日本公庫が地域のハブとなって、融資の相談に訪れた起業家に、各支援機関を紹介していた。4者が直接連携することで、起業家に有用な支援を紹介するととともに、イベントやセミナーの開催などを通じて、地域における創業機運の醸成にもつなげていきたい考え。
同地域の女性起業家は得意を生かして、飲食や物販などの比較的小規模な事業で創業を目指す傾向があるという。事業計画の検討から、チャレンジショップや販売場所の提供、融資まで4者のサービスを組み合わて効果的な支援の実現を狙う。
コロナ禍における雇用環境の悪化から、女性が自営業を志す例が増えているという。一方で地域の中小支援機関は、事業継続のための経営相談や制度融資の手続きに忙殺されており、地域における創業支援の多様化、拡充は課題となっていた。
日刊工業新聞2022年3月24日