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オペレーターはAI…!みずほ証券が導入した音声ロボットの全容

コンタクトセンター、顧客との接点増やす

みずほ証券はコンタクトセンター(コールセンター)に人工知能(AI)を活用した音声ボット(自動化プログラム)を導入した。AIが顧客との通話を音声認識の上、テキスト化して事前設計のシナリオに沿って自動応答する。コンタクトセンターの対応力向上によって、営業店担当者の顧客との接点機会を増やす狙いがある。まずは問い合わせなどの簡単な受け付け業務からAI音声ボットによる自動化を進め、顧客の利便性を高めて顧客体験(CX)向上を目指す。

みずほ証券のコンタクトセンターは東京2拠点、大阪、札幌の計4拠点あり、約440人が在籍する。コンタクトセンターへの問い合わせで1日のうち最も多いのが株価照会で約5割を占める。次いで問い合わせや事務手続きが約3割、注文が約1割といった具合だ。株価照会は既に大部分を自動化済みで、音声ガイダンスによる自動株価照会は顧客に幅広く浸透している。

2021年12月に取り入れたAI音声ボットは、AIが適切な回答を用意し発話する仕組みで、大手証券会社による導入は初めてだ。楠誠晃ダイレクトチャネル事業部長は、AIの役割について「顧客の要望内容と用意した回答をうまくマッチングさせて発話させる内容をアレンジすることだ」と説く。住所や金融機関の変更届などの書類送付受け付けに対応している。高齢者を中心にインターネット操作よりも電話を好む顧客が多く、自己解決チャネルとして24時間365日応対する。コンタクトセンターでの定型・簡易な応対業務を自動化することで、オペレーターが複雑な問い合わせや注文などより付加価値の高い業務に対応できるようになる。

22年度中には有人チャットとチャットボットの両方で、AI音声ボットの自動応答シナリオを活用できるようにする計画。また将来的には、より複雑な業務に対応できるようにサービスを拡張する方針だ。株式相場が活況でコンタクトセンターでの電話が混雑する際には、AI音声ボットが自動応答し折り返し予約を提案する。また顧客データベースとのリアルタイム連携によって、約定や残高の状況を回答できるようにする。

19年9月には顧客の属性やニーズを電話番号で識別し、必要なスキルを持つオペレーターにつなげる仕組みを取り入れた。電話の転送を減らし、「つながりにくい」「たらい回し」「早く担当につないでほしい」といった顧客にかかるストレスを解消することによって生産性向上とCX向上につなげている。(高島里沙)

日刊工業新聞 2022年2月18日

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