医療分野に乗り出すカシオ、AIで皮膚がん診断の仕組み
カシオ計算機は人工知能(AI)を活用した皮膚科用の診断支援サービス「AI診断サポート」を2023年にも始める。同社の皮膚観察用ダーモカメラ「DZ―D100」で撮影したデータを解析し、がんの可能性やがんの種類を判定する。皮膚科領域においてAIを活用した診断支援サービスの実用化に向け2022年度中の承認取得を目指す。
メラノーマ(悪性黒色腫)をはじめとする皮膚がんは、初期段階では良性の色素性母斑(ほくろ)との見分けが難しい。AI診断サポートでは、ダーモカメラで撮影した病変部分をクラウド上のAIで解析し、良性か悪性か、またがんの種類を判定する。信州大学と連携し、3000症例以上のデータを使って開発した。
カシオ計算機は、DZ―D100を19年に日本で発売し、21年12月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得。子宮頸がんの早期発見を支援する産婦人科医向けデジタルカメラ「DZ―C100」を22日に国内で発売するなど、新規事業として医療分野に本格的に乗り出す。
国内外を合わせ、22年度は10億円の売り上げを目指す。
将来は医療用のデジタルカメラといったハードに加え、画像管理ソフト、さらにAIなどを含めた診療支援プラットフォーム「D’z IMAGE」(ディーズ イメージ)を拡大し、リカーリング(継続課金)事業の確立を目指す。
日刊工業新聞2022年3月9日