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壁面を検査するワイヤ懸架式ロボット「ゴクー」の実力

ダブル技研(神奈川県座間市、和田博社長)は、村本建設(大阪市天王寺区)と共同で開発・実用化を目指しているワイヤ懸架式壁面作業ロボット「ゴクー」の新型を試作した。

ワイヤをチェーンに変更するなど従来の試作機より簡素で設置しやすい。ダブル技研本社の壁面で実証実験し性能に問題がないことを確認した。5月末までに村本建設へ納入し、外壁の打音検査に活用する。

新しい試作機は本体上部から左右に伸びた2本のチェーンとスプロケット(歯車部品)を使って壁面を移動する。壁面上部にスプロケットを設置し、本体を支える2本のチェーンの長さを変えて上下左右に移動する。従来は4本のワイヤをウインチで動かして移動していた。構造変更で設置や撤去の時間と手間が減るという。

新型ではフレームを追加して本体の位置を壁面から離し、ダクトカバーなどの障害物にチェーンが引っかからないようにした。

ゴクーは検査対象の壁面の広さに対応しやすいのが特徴。打音検査だけでなく、カメラなども本体に装着して幅広い検査が可能だ。ダブル技研によると、壁面検査のゴクーは「壁ゴクー」と名付け、空中を移動するゴクーなどシリーズ展開するという。


日刊工業新聞 2022年3月9日

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